重要文化財を未来につなぐ鉄眼プロジェクト
当院は、初心貫徹の不撓不屈の精神で、自らの大願を叶えるとともに、大慈大悲の心で、幾多の難民を救済することに生涯を費やされた鉄眼道光禅師の息吹を今なお、感じることが出来る貴重な場所です。
その鉄眼禅師の生き様の証(あかし)が、日本国が認めた重要文化財「鉄眼版一切経版木」なのです。
宝蔵院内の鉄眼版一切経版木収蔵庫には、約6万枚の版木が収蔵されていますが、そのうち、国の重要文化財に指定されている版木は4万8275枚に留まります。昭和32年に国の重要文化財に指定される際の調査がどのようなものであったのか、合わせて、昭和36年に、収蔵庫の移転・新設が実施されましたが、その際、全ての版木が適確に移動がなされたのかも甚だ不透明であります。即ち現況、鉄眼版一切経版木の実態は明確ではないのです。
国指定重要文化財を維持、保護していくためには、莫大な費用がかかります。収蔵庫そのものは、その昔、たくさんの企業・団体・個人の有志の皆様からの有難いご寄付により、昭和36年に丈夫なコンクリートで作られていますので、当面は、耐えうる範囲のようです。しかしながら、6万枚もの版木を納めている棚が、既に老朽化しております。また、現状の版木収納方法のままでは、版木自体が反ってしまい、使用不可になる可能性があり、国からも指摘されております。
当院と致しましては、版木の収納方法を刷新するためにも棚を新調するとともに、版木の悉皆調査を実施し、しっかりと鉄眼禅師の偉業で集大成である重要文化財「鉄眼版一切経版木」を未来へとつなぎ留めたい思いであります。そして、その思いを実現させるべく、令和2年(2020)6月1日より、以下のような運営をし、各種ご志納金は、前述の通り、重要文化財保護のために活用させて頂きたく存じます。
皆様からのご理解やご協力が賜れますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。 合掌
拝観者の方がご厚意で作っていただいた動画です。隠元禅師と鉄眼禅師との関係、一切経への熱き想いが丁寧に描かれています。